みんなで楽しくお肉や魚介類、野菜などを焼いて食べるバーベキュー。大人から子供までみんなが大好きで楽しめるバーベキューですが、どの食材を焼くかで一味違った楽しみ方をすることができます。定番の牛肉や豚肉、鶏肉など以外にもラム肉を調理してみるのもおすすめです。馴染みのないお肉なので躊躇してしまう人もいるかもしれませんが、今回はその特徴やおすすめの食べ方を部位ごとに紹介していきます。ぜひ参考にして、今年のバーベキューに取り入れてみてくださいね。
Contents
ラム肉は「子羊のお肉」
ラム肉という単語は聞いたことがあっても、詳しくどの動物から取れる肉の種類なのか理解できていない人もいるのではないでしょうか。ラムは産まれてから12か月以下で、さらに永久歯が生えていない段階の子羊のお肉を指します。羊独特のにおいがあまりしないのが特徴で、肉質も柔らかくておいしく料理に使いやすいのが魅力です。同じ羊であっても、12カ月以上成長した羊についてはマトンと呼ばれて、市場に出回っています。羊のお肉は、他のお肉に比べて嬉しいメリットも多いです。動物性脂肪は肥満の原因につばがるとも言われますが、羊のお肉は肥満の原因にならないヘルシーな食材だと言われています。お肉は食べたいけど太ってしまったら嫌だ、と美味しい料理を楽しめないのはもったいないです。ヘルシーな食材を利用することで、おいしいご飯を楽しみましょう。健康志向の人にも人気が高くなっていて、需要の高さからスーパーでも飼えるようになってきています。
ラム肉の特産地
スーパーやお肉屋さんで売られているラム肉のほとんどが、海外から輸入されているものになります。特産地はいくつかあるのですが、産地によってラムの特徴に違いがあるので、それぞれ紹介していきます。まず代表的な産地で知られるニュージーランド産のものは、生後4か月から6カ月程度でお肉として出荷されているので、お肉の部位がそれぞれ小さめであることが特徴です。生後間もない子羊のお肉を使用しているからこそ、くさみやクセのほとんどない上質なお肉が出回っています。次にオーストラリアも有名な産地で、こちらでは生後6か月から8カ月程度の羊が出荷されています。くさみやクセはあまりなく、ニュージーランド産と比べて少し大きめでお肉の食べ応えを感じられます。他にも、最高峰のラムで知られるプレ・サレが有名なフランス産や、穀物飼育を行っているアメリカ産なども有名で、これらの特産地から輸入されて食卓にあがっているのです。
ラム肉の旬
私たちが普段口にしている食材には、それぞれよく取れる時期でもありさらに栄養素が他の時期に比べて高いといった時期があります。旬の食材は、私たちによりおいしいと感じさせてくれ栄養素も豊富なので、同じ食材を食べるのであれば旬が一番ですね。お肉であるラムにも、ちゃんと旬の時期があります。一年中いつでも出荷されるラムですが、旬は春と言えます。羊の習性として、だいたい秋に交配して冬に出産することが通常なので、冬に生まれた子羊がちょうど大きくなってくる春先から始まります。特に春先に登場する通常の子羊よりも小さい生後4か月ごろの羊肉は、ミルクの香りがする繊細で柔らかい肉質が特徴です。この時期だけの味わいで、まさにこの時期にしか食べられないラムです。春が一番の旬だと言えますが、初夏にかけて次々に出荷されるのでそれまで続くとも言えます。この時期に食べるラム肉は、柔らかくておすすめです。

ラム肉の味
最近ではスーパーでも見かけるようになってきて、好きな人は頻繁に食べられているラムですが、一般的なお肉と言えば牛肉や豚肉、鶏肉であると言えるので、ラム肉を食べたことがないという人もいるのではないでしょうか。では、どんな味がする食材なのでしょうか。クセがあると言われるラムですが、牛肉や豚肉とそれほど変わらないお肉のうまみを感じられる食材です。特に羊肉の中でも子羊を使用しているラムは、肉質が柔らかくてクセがあまりないという特徴を持っています。一度食べるとはまってしまう人も多く、西洋では高級食材としても利用されています。柔らかい肉質に加えて、コレステロールが溜まらなかったり、ビタミンなどの栄養が豊富に含まれていたりなどの嬉しいポイントも多いです。風味豊かな味ですが、食べなれないという人は下味をしっかりつけて漬け焼きのように調理するのがおすすめです。下味があることで、羊肉の独特な味や香りを抑えられます。
ラム肉の香り
中には、ラムの香りが苦手という人もいるかもしれません。羊肉には独特なにおいがあるので、苦手に感じてしまう人もいます。このにおいのもとは、草食動物である羊が食べるエサにあるようです。羊が主に食べている草には、葉緑素であるクロロフィルが多く含まれています。このクロロフィルが、羊の体内でフィトールという化学物質に変化することで、独特の香りが発生しているのです。つまり、羊肉の香りは草の成分であるとも言えます。においがどうしても苦手だという人には、同じ羊肉でもマトンよりもラムを選ぶのがおすすめです。ラムの方が子羊を使っているので臭みがあまりありません。また、お肉の脂肪分を取り除くのもおすすめです。独特な香りの原因であるフィトールは、お肉の脂肪部分に多く含まれています。そのため調理する下準備として余分な脂肪分を取り除くことで、独特なクセを軽減させることができます。
ラムの部位と食べ方①ラムショルダー
ラムは部位ごとにお肉の質に特徴があり、それぞれおすすめの食べ方が違ってきます。まずは羊肉の方の部分にあたるラムショルダーを紹介します。ショルダーは、赤み肉と脂肪分のバランスが絶妙に整っている部位です。もも部分に比べると脂分が多く含まれているので、脂肪の美味しさが加わって絶妙なおいしさを楽しめます。バランスが良い部位なので、バーベキューや焼き肉にももちろん適していますし、その他にもジンギスカンやしゃぶしゃぶなども楽しめる部位です。バーベキューだと手間はかかりますが、ショルダーであっても、塊のブロックで購入したときには、煮込み料理に使用するのもおすすめです。ブロックを大きめにカットして、カレーに入れたりトマト煮込みや赤ワイン煮込み、シチューなど定番から本格的な煮込み料理などどの料理にも適しています。しっかり煮込むことで柔らかい肉質になりクセや臭みもなくなるので嬉しいです。
ラムの部位と食べ方②肩ロース
肩ロースは、羊肉以外の牛肉や豚肉でもよく販売されている部位でもあるので、馴染み深いですよね。ラムの肩ロースの特徴は、ラムショルダーと同じように赤み肉と脂肪分のバランスがとてもよく整っていて、お肉のうまみが十分に感じられることです。ラム肩ロースは柔らかい肉質なので、どのような調理でもおいしく食べられます。バランスがよく肉質も柔らかい部分なので、特にローストラムや焼き肉におすすめです。お肉本来のうまみを感じられる食べ方がおすすめで、シンプルな味付でも美味しく食べられます。厚切りのジンギスカンやステーキにもおすすめです。肩ロースならクセが少なく、赤身肉と脂肪分のバランスが取れているから、薄切りでなくてもおいしいです。厚切りのジンギスカンやステーキはジューシーで柔らかく、香りも良いのでおすすめですよ。よりクセを抑えるために、濃いめの味付にするのも良いですね。
ラムの部位と食べ方③ラムフレンチラック
ラムフレンチラックとは、高級レストランでも使用されているラムの部位になります。骨付き肉で作ることができるので、おもてなし料理としてもてなすのにも最適ですし、バーベキューで調理すればいつもと違う別格のバーベキューになって楽しめます。ラムフレンチラックは、ラムのロースの部位にバラ骨が付いている商品のことを言います。ロースだから肉質が柔らかく、クセもあまりないので羊肉をあまり食べたことがないという人でも挑戦しやすい部位です。ロース肉の部分の肉のうまみを感じられることはもちろん、骨からもうまみがしみだして絶品です。オススメ食べ方は、炭火焼きや香草焼き、スープカレーに入れて煮込むのも人気が高まっています。炭火や香草焼きであれば羊肉の独特なクセを和らげることができて、こちらもバーベキューの調理ですと手間はかかるのですがスープカレーに入れて煮込めばラムのうまみがスープに溶け出して格段に美味しくなります。

ラムの部位と食べ方④ラムチョップ
ラムチョップという言葉はよく聞くと思いますが、このチョップには叩き切るやぶった切るという意味があります。つまり、ラムチョップとは骨の付いた状態の羊肉をそのまま叩き切った商品になります。骨付きの状態では包丁やハサミで切ることができないので、叩き切るという意味のチョップが使われているようです。ラムチョップをより美味しく仕上げるためには、調理前にお肉を常温に戻しておくのが大切です。そして一気に焼き上げることで、お肉のうまみを逃がさず仕上げることができます。後は余熱でじっくり熱を通せば、柔らかくてジューシーなラムチョップになります。オススメの食べ方は、そのままハーブなどを使用してステーキにしても良いですし、濃いめのたれに漬け込んでから焼いてもラムの臭みが感じにくくなるので良いです。変わり種として、味噌を使用して味付したりソースをかけて食べても美味しいですよ。
ラムの部位と食べ方⑤ラムロール
ラムロールとは、その名前の通りラム肉が丸く巻かれてロール状になった商品のことを言います。見た目はまるでロールケーキのに似ているのですが、なぜこのようになったのか不思議ですよね。牛肉や豚肉など、他のお肉の種類ではロール状に巻かれた形状のものを見たことはありません。ラムだけで見られる形です。この形になった理由は、ラムが他のお肉と比較して一つ一つの部位が小さかったからです。ロール状にすることで大きな一枚肉に見立てたのが始まりだと言われています。そんなラムロールのおすすめの食べ方は、やはりジンギスカンです。ラムロールはロール状になった塊を薄くスライスして販売されていることが多いので、スライス肉をジンギスカンのたれで炒めるだけで完成します。鍋でもフライパンでも、バーベキューなどの網でも焼いて食べられます。煙と油が出るので、屋外で行うバーベキューには最適です。
ラムの部位と食べ方⑥ラムレッグ
ラムレッグとは、子羊の足で骨付きモモ肉とも呼ばれます。ジューシーで柔らかい食感が特徴で、ラムをよく食べているアメリカやイギリス、高級料理店でラム肉を使用するフランスでもよく食べられている部位です。ももは、脂肪分が少なく赤身部分がしっかりとしています。そのため羊肉独特のにおいやくせがほとんどなくて、あっさりとした味わいが楽しめます。オススメの食べ方はステーキやローストレッグです。ローストする調理方法は海外で一般的で、ハーブや塩コショウで下味をつけて臭みを取ってから、オーブンでじっくり焼き上げます。クセがないのでロースとしても食べやすく、あっさりとしているからいくらでも食べられる味わいです。ももの他の部分にも、トップサイドと呼ばれる内また部分は特に柔らかくて脂肪が少なくタタキに使われることが多いです。すねはカレーやシチューなどの煮込み料理に適しています。
ラムの部位と食べ方⑦ラムテンダーロイン
羊肉以外でもよく使われているテンダーロイン。これはヒレ肉のことを指していて、子羊1頭から少量しか取れない希少な部位です。脂分がとても少なく赤身の部分が多くなっていて、肉質がとても柔らかいのが特徴です。赤身部分は特に柔らかさときめがこまやかなので、まろやかな味わいも楽しめます。希少部位ですが人気が高い部位なので、高級レストランなどでも使用されている部位です。ジューシーに仕上がるので、ステーキにすればあっさりとした柔らかいお肉をしっかり食べることができておすすめです。他にも、グリルや焼き肉、カツレツ、もちろんなどにも向いています。ラムのカツレツでは、ステーキよりも少し多めに火を入れて、焼きあがった後は余熱で少し休ませれば完成です。ヒレ肉のラムテンダーロインでしか味わえない柔らかさとジューシーさとまろやかな風味が味わえて、もちろん大勢で食べられるバーベキューにも向いています。
ラムの部位と食べ方⑧ラムのバラ
羊のおなかの部分のお肉で、牛肉や豚肉と同じように脂肪分が多い部位です。お腹部分にあたるので、赤み肉と脂肪が層になっています。ラムのバラは海外ではよく利用されていますが、日本ではそれほど多く流通していません。脂分には特に羊肉独特の香りが含まれている場合が多くクセが強いので、香りやクセが苦手という人には向いていない部位ですが、ラムバラは羊肉のクセが好きだという人にはぴったりの部位です。バーベキューで利用する時にも、ラムのクセが苦手な人もいると思うので、しっかりとした味をつけてから焼き上げると、くさみを感じさせず美味しく食べられます。煮込み料理に適している部位で、脂肪のうまみが溶け出してより柔らかく仕上がりますよ。脂肪が多い分、お肉のうまみが凝縮されている部位でもあります。そのため、香辛料を使って丸ごとローストして食べるのも豪快で美味しい調理方法です。その他にも加工用として利用されることもありますよ。
ラムの部位と食べ方⑨ラムランプ
ラムの中でもロースの次に柔らかい肉質を誇っているのがラムランプです。子羊1頭につきほんの少ししか取れない希少な部位でもあり、1本のもも肉から1~2枚しか取れない部分です。ロースと比べるとお肉の噛み応えがあるのが特徴です。そのため、おすすめの食べ方としてはステーキが良いでしょう。厚切りのラムランプをシンプルな味付で焼き上げるのが、ランプの柔らかさとお肉のうまみを十分に引き立たせてくれる調理法と言えそうです。味付けは塩コショウだけで十分なので、バーベキューでも鉄板を用意して少ない調味料で豪快に焼き上げれば、いつものバーベキューがワンランクアップしたものに変わりますよ。ロースの部分では味わえない肉感たっぷりの食べ応えと上品な風味を味わえます。ジューシーで柔らかい羊肉のステーキを食べたいときには、たっぷり食べ応えのあるラムランプがおすすめですよ。
ラムの部位と食べ方⑥ラムせせり
セセリの部位はたまに聞くけれど、どの部分にあたるのか知らずに食べている人も多いのではないでしょうか。せせりは羊のネック、つまり首の部分にあたるお肉です。そんな部分だったのかと驚かれる人もいるかもしれません。赤身肉の部分が多く脂肪分が少なめなので、羊肉独特のにおいやくせがあまり感じられない部位です。羊肉が苦手という人でも、この部位であれば美味しく食べられるかもしれません。ラム独特のクセが少ないので、基本的にはどんな料理にもぴったり合う万能な部位です。鶏肉のセセリと同じような感覚で、ゼラチン質が豊富で食感がよいです。ラムせせりは噛み応えもあってジューシーさもあり、価格が他の部位と比べて安くコストパフォーマンスが良いのも魅力です。オススメの食べ方は、さっぱりと塩コショウで焼いたラムせせりにレモンを添えれば完成。ビールのおつまみとしても最適なメニューです。
子羊の肉であるラム肉について、特徴や部位ごとのおすすめの食べ方を紹介してきましたが、いかがでしたか。クセがあると思われがちですが、ラムであればそもそもクセが少なく、さらに臭みがあまり感じられない部位を選んで購入すれば、独特な味に苦手意識を感じず食べられるかもしれません。ラムはコレステロールが溜まらないヘルシーな食材でもあるので、バーベキューだけでなく毎日の食卓でも試しに使用してみてはどうでしょうか。





