アウトドアで誰もが楽しみにしているのが、食事の時間。アウトドアシーンで人気が高いのはバーベキューになります。屋外の開放感あふれる雰囲気のなかで好みの食材を直火で調理するのは、普段の日常生活では味わえない贅沢なひとときと言えます。もっともバーベキューといっても食材に何を選ぶのかで楽しみ方は違って来ます。海岸近くのキャンプ場などでは海鮮素材のバーベキューが人気です。なかでも高い人気の甲殻類や貝類を素材にした海鮮バーベキューについて御紹介します。

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バーベキューに貝や甲殻類は豪華で盛り上がる!
海鮮バーベキューといえば簡単なレシピで直火ならではの火力で加熱するだけで、海の幸の食材のそれぞれの個性あふれる持ち味を楽しむことができます。海鮮のなかでも貝類や甲殻類は、魚類のように三枚卸にするなどの面倒な下ごしらえが不要で、料理の腕に自信がなくても見た目も豪華な仕上りになります。香りたつ魚介の焼きあがる様子や、派手に開く貝や赤く染まる甲殻類の華やかさなど、シーフードグルメの王道の海鮮バーベキューについて、材料の準備や下ごしらえ・注意事項などを御紹介して参りましょう。
海鮮バーベキューはみんなが楽しみにしている一大イベント、せっかくの機会なので失敗しないためには幾つかの注意点があります。ある程度スケジュールの青写真を描いて計画的に行動することが大事です。事前準備で最も注意を払うべきなのは、シーフード素材の調達方法にあります。海鮮類はすぐにいたんでしまい料理素材に使用することが不可能になってしまい、バーベキュー自体が頓挫の憂き目に遭遇するリスクを孕んでいるのです。何より鮮度が重視されるので、どのような方法で調達するのかを確定しておくことがポイントです。現地やその周辺で自分たちで取った食材を材料にするのか、予め現地に赴く途中で購入するのか、地元周辺の新鮮な魚介類を取り扱っている店舗で購入するのか、色々なスタイルがあります。魚介類を別途調達するにしても、調味料ばかりは事前に用意しておかないとスパイスやシーズニング材などは、現地で購入するのは困難な場合もあるので、注意が必要です。
続いて問題になるのは海鮮バーベキューをどこで行うのか、場所の選定の問題です。調理設備や水回りなどが一通り揃っているキャンプ場などで開催するならあまり問題にはなりませんが、現地に赴いて場所を見つける予定ならとりわけ注意するべきです。私有地などはもちろん勝手に使用する事はできませんし、急な天候悪化のリスクはないのか雨天時の避難場所などは確保できるかなど気がかりな点は色々です。特に水辺を予定しているなら、満潮時の水位変化や波打ち際では高波のリスクなども検討する必要があります。場所の下見をしておくことがベストですが、過去に水難事故のあったような場所では、景観が良好でも慎重に考える必要があります。
海鮮バーベキューで必要になる機材については、開催場所で利用できるサービスいかんによっても異なってきます。場所を提供するだけのキャンプ場もあれば、一通りの機材やバーベキュー用の器具などをレンタルで貸し出している場合もあります。いずれにせよ最低限の機材はそろえておいて、消耗品などは一般的なスーパーやホームセンターなどでも入手できるので、途中で入手するという方法も可能です。ただし実際にバーベキューを始めてみて、必要なものが足りないといった状況に陥ることのないように、必要なものをリストアップして買い忘れがでないように注意しておきましょう。
機材のなかで必須になるのは、海鮮バーベキューを行うことになる焼き台になります。グリルやコンロのほかに、調理用テーブルに材料置きにコンロなども併設されたキャンプ用の組み立て式テーブルなども販売されています。参加人数や用意した海鮮素材の下準備のための作業に、必要な作業範囲を確保できるかを基準に器具を準備すれば失敗は少なくなるでしょう。
焼き台で調理のベース条件が確定したら、あとは調理や完成したメニューのとりわけなどに必要な、道具類をそろえておくことです。包丁やトングや菜箸・料理バサミなどが代表的ですが、調理などに際して困ることがないように確認することが必要です。簡単な調理で済むことが多いものの、甲殻類などではカニの殻など下準備のためには、出刃包丁でないと歯が立たない場合もあります。さらに素材を収めるためのボールやザル・反りなくエビを焼き上げるには串なども必要です。
調味料については塩コショウなどは必須ですが、できればスパイスなどを何種類か用意して多彩な楽しみ方が出来るようにすれば料理の幅も広がります。味噌やタレ・各種ソースなどのシーズニング材や、オリーブ油など想定しているメニューに応じて準備しておけば良いでしょう。
さらにアウトドアのバーベキューをするための墨や着火剤などに、安全に作業するための軍手などもあれば非常に便利です。そして忘れてはならないのが、各種の消耗品です。完成したメニューのとり皿や、ホイル焼きなどに活躍するアルミホイルやアルコール飲料やドリンクを入れるための紙コップなども必要になります。
ところで海鮮バーベキューでも、貝や甲殻類では調理すると派手に変化するので、場が盛り上がること間違い無しです。定番のエビやホタテ貝・サザエなどのほかに普段でも口にする機会の多いホンビノスやかなり効果ですがアワビや季節や産地に応じたカニ類など、素材の組み合わせと調理法で無限の楽しみ方を実践することができるのがメリットです。
バーベキューで食べたい貝・甲殻類の種類
手ごろでおすすめの貝|ホンビノス
ホンビノスと耳にしても、ピンと来ない方も珍しくないでしょう。見た目はハマグリに酷似しているので魚介類に関してかなり精通していないと見た目で判断するのは難しいと言えます。生息域は東京湾が中心で特に千葉県の船橋では地元の新たな名物として注目を集めているようです。アメリカの大西洋沿岸では大量に生息しており主要な水産資源の一つとして、盛んに採取されています。本場のニューイングランドで供される「クラムチャウダー」は、アサリではなくホンビノスが材料に使用されるほどポピュラーな食材になっています。これに引き換え、日本ホンビノスが脚光を浴びるようになったのは、2006年ごろとまだまだ日本の水産資源市場では知名度は高いとはいえない状態です。そもそもの発端はアサリを採取するなかに形が類似している貝が発見されたことにあります。ためしに試食してみたところ、なかなか美味ということが判明し新たな水産資源として活用が始まったというわけです。見た目はハマグリに似ていますが、肝心の味はハマグリとアサリの中間のような味わいだそう。東京湾周辺の地域では次第に食材の一つとして定着しつつあり、「潮干狩りの新たな主役」との異名もあるほどで、市川や舟橋などの東京湾奥のエリアに加え最近では東京湾の中央部から南部などでも採取されています。最近ではスーパーでも取り扱われることが多くなっていて、値段的にハマグリの3分の1ほどの値段で購入することができるので次第に人気も高くなっているようです。
ところでホンビノスとハマグリは見た目は酷似しているものの、見分け方もないわけではありません。いずれも二枚貝ですがハマグリは殻が左右対称に近いのに対して、ホンビノスはハマグリに比較すると丸みがあり、貝殻をつなぐ蝶番付近の部分が曲がっているので識別することができます。
ホンビノスの下ごしらえですが、砂抜きをするのがベターです。比較的砂をかまない種類なので砂抜きは不要と考える人もいるようですが、仕上りの食感の良さを求めるなら砂抜きは省略することはできない工程の一つと言えます。砂抜きの方法ですが、海水または海水と同程度の塩分濃度の水にホンビノスをつけて、冷暗所で通気性のよい蓋をして一晩置けば砂抜きは完了します。ちなみに海水の塩分濃度は3%程度とされています。
砂抜きが終わったら下ごしらえをして調理に備えて下さい。ポイントになるのは、中腸腺という部分を取り除くことです。中腸腺とは身の黒っぽく透きとおった部分のことで、ここに貝毒が溜まる部分なので安全のために除去するのが賢明です。また採取場所などによっては塩分が強い場合もあります。塩気が強い場合には砂抜き後に、数時間程度真水につけておけば大丈夫です。
ホンビノスのおすすめレシピですが、ハマグリほどではないものの旨み成分のアミノ酸を豊富に含んでいるので、その特徴を活かすのがポイントになります。海鮮バーベキューのシーンでは、網焼きがおすすめ。焼き網の上にホンビノスを乗せて、口が開いたら酒・みりん・醤油をたらして味つけして召し上がって下さい。アウトドアの海鮮バーベキューでは調味料を予め合わせておくのも便利です。
ホンビノスの旨みを存分に堪能したいなら、スープと言う選択肢も。砂抜きの済んだホンビノスを鍋に入れて水を日本酒を加えたら、蓋をして火にかけます。沸騰したら鍋をゆすってすべての貝がひらいたら一度火からはずします。そして昆布出汁を追加して塩で味を調整して完成になります。ホンビノスの塩味ベースのシンプルな味付けなので、物足りないと感じる方はお好みでコショウを追加するとパンチのある味付けになります。
定番の貝|ホタテ貝
スーパーでは貝柱がパック売りされていることもあって、身近な食材のひとつですがホタテ貝は海鮮バーベキューでも人気が高い食材の一つです。鉄板で調理するならおなじみの貝柱をソテーする方法もありですが、網焼きの場合は貝柱は調理にむいていないので、殻つきのものを選ぶことになります。普段はあまり殻付きホタテ貝を択ぶ機会も少ないでしょうが、ポイントさえ抑えておけばさほど難しいわけでもありません。殻つきの場合は生きている個体を入手するのが大前提になります。少し殻が開いているようであれば、軽く接触するなどで刺激を加えてみて素早く引っ込むのが元気な証拠です。殻のすき間から中身を確認できるようであれば貝柱のサイズが大きいものを選ぶと、旨みもつよく美味しくいただけます。
ところで市販されているホタテ貝には、天然ものと養殖ものの二種類に分かれます。純天然ものと地巻き放流物は海の底を自由に動き回ることができるのでサイズも大きく成長し貝柱も太くなります。これに対して耳つり養殖ものなどは、紐で固定されて育つので天然ものなどに比べてもサイズでは叶いません。サイズが違うだけでなく大きくなっても大味になることはなく、旨みもつよくなっています。従ってできれば天然モノを入手できれば、相対的に一層おいしいホタテ貝を入手することができます。天然ものと養殖モノを見分ける方法としては、見た目の色合いの違いにあります。養殖ものでは紐に吊り下げられた状態で成長するので太陽光をあらゆる方向から浴びることになるので、全体的に茶色っぽい印象になります。これに引き換え天然ものでは、右殻を下にして海底を移動することになるので光が当たらない部分があり、しかも海底では太陽光もあまり届かないので全体的に城っぽくなります。ホタテ貝には雄と雌がいますが、味的にはさほど変わらないとされています。
ところで海鮮バーベキューの網焼きでホタテ貝を調理するときには、下ごしらえが重要です。なぜならホタテ貝は新鮮な個体ほど殻が強く閉じており、身も殻に張り付いている状態です。そのまま口を開けたりしないで網で直火にかけると、口が開いてきたころには火が通り過ぎてしまって、身が固くなってしまうからです。これではせっかく新鮮なホタテ貝を購入できても、歯ごたえが悪くなるので素材の持ち味を活かすことはできません。そのため事前の下準備として、口を強制的に開口することが必要です。開け方ですが菓子用のパレットナイフを使用すれば便利で安全です。平らなほうの殻から身を外します。口からパレットナイフを差し込んだら、先端を殻の一番下側に滑り込ませながら、殻からを身を剥離させてゆきます。反対側も同じ要領で身と貝柱を剥離させることが出来れば、身がはがれる状態になるので下ごしらえは完了です。なおホタテ貝の黒く丸い内臓部分は中腸腺という器官で毒や重金属などがたまりやすい場所なので、下ごしらえのときにあわせて取り除いて起きます。
海鮮バーベキューの直火で焼くときには、下ごしらえをすませたホタテ貝を火にかけることになりますが、殻の中で上下をひっくり返しながら全面に火を通します。醤油焼きや酒蒸しが定番ですが、たんぱくな味わいにはバター焼きもおすすめです。焼き過ぎないように少し早めの段階で火からあげて召し上がるのがベターです。
ところで新鮮なホタテ貝ではナマのまま貝柱を食べるカルパッチョなどもおすすめです。貝柱を薄めにスライスして、オリーブオイルとレモン汁をベースに塩コショウを混ぜたドレッシングをかければ完成です。オリーブ油は生食にはエキストラバージンオイルなどを利用すればより美味しくいただけます。
豪華な貝|アワビ
貝類の中では最高峰の地位に君臨しているのが、高級食材のアワビです。中華料理では干した干しアワビは非常に珍重され生の個体よりもはるか高値で取引されています。だからと言って生アワビがお手頃かといえばそういうわけでもなく、貝に限定することなく魚介類全般の中でも高級食材として位置付けられているのは間違いありません。
アワビとはミミガイ科に属するファミリーの総称で、雌雄別ですが外見からでは判断することは不可能で生殖腺の色合いを確認して初めて判断可能です。殻の形状は種類によって違いがみられますが、皿状の殻を持つ点では共通しています。全世界で生息していますが、こと東アジアに限定すると、中国北部沿岸から朝鮮半島、日本の北海道以南の九州などにかけて分布しており、水深20m付近までの岩礁に生息しています。わかめや昆布などの海藻類をえさにして成長し、大きなものでは長径が20cm程度、短径が17cm程度にまで成長する固体も見られます。
アワビの殻の表面を観察すると数個の穴が開いている様子を観察することができますが、この穴はえら呼吸のときに吸い込んだゴミを体外に排出したり、排泄物や精子・卵子などを放出するなどの用途で使用されているようです。近縁のトコブシでは穴の数は6-8個程度で、穴周辺には平坦で口径も小さい傾向があります。これに対して、アワビでは穴の数が3-4個にとどまり、穴の周辺の殻は捲れ上げっているなどの特徴が見られます。
従来からアワビは高級素材として各地で珍重されてきた歴史をもっており、古くは縄文時代や弥生時代のカイ塚からも出土する事例も見られることから日本人には馴染みのある食材だった事実を確認することができます。平安時代の木簡にもアワビの名前が登場することから。当時の貴族の間でも好んで食べられてきたことを窺うことができる訳です。
食材としてのアワビの特徴は、コリコリとする歯ごたえの良さが特徴です。新鮮なアワビをそのまま頂く刺身をはじめ、酒蒸しやステーキに中華粥などの具材など多彩な調理法があります。中華料理のフルコースに出てくるような干しアワビの煮物などは、長い時間をかけて身を戻して特性のスープで煮込むなど非常に手間と時間をかけて調理されるので、非常に高価になっています。
このように高級食材の一種なので、海鮮バーベキューではあまり気軽に利用できる食材ではありません。黒アワビになると希少性が高く非常に高価なので、あまりバーベキューのシーンでは活用される機会は少ないのが現状です。どうしても直火で楽しみたいなら、比較的リーズナブルな蝦夷アワビがおすすめです。漁獲量が比較的多く、希少性もさほど高くないことからアワビの仲間のなかでは、リーズナブルな値段になっている訳です。
ただしアワビをバーベキューで召し上がるには下ごしらえが必要です。菓子用のパレットナイフなど平らで細い先端を持つ調理器具を用意し、殻にそうように先端を挿入したら、そのまま全面を殻から取り外します。身と一緒に黒い内臓がついてきますが、内臓部分は別に取り分けて起きます。身の一部には透明っぽく黒味のある外腸腺がついているので取り除きます。外腸腺には重金属などが集まりやすい箇所で食感も良くないので食用には適さないからです。アワビの吸着面をまな板の上に置き、格子状に切れ目をアワビの身全面に刻んでゆきます。切れ目を入れておかないと、歯ごたえがつよすぎるきらいがあります。内臓は細かく包丁で叩いて、ペースト状にしておきます。下ごしらえが済んだアワビを殻ごと直火にかけたら、刻んだ内臓も一緒にいれて加熱します。醤油で味付けしたら、煮立った肝ごと召し上がってください。
豪華な貝|サザエ
サザエは見た目のインパクトが強烈なインパクトとサイズを持っているので、改選バーベキューを盛り上げる上では欠かせない食材の一つです。旬の時期は産卵期前の冬から春にかけての季節で、巻貝の中では漁獲量が多く一般的なスーパーでも店頭に並んでいるのを目にする機会も多いことから、身近な海鮮食材の一つなのは確かです。猟師町の店頭でも定番の食材のひとつになっており、店頭でつぼ焼きにして販売されていることも珍しくありません。ホタテのように大量に販売される機会はありませんが、比較的廉価なことと、見た目のインパクトの強さから海鮮バーベキューの定番の一種になっているようです。ただし殻つきのホタテのように面倒な下ごしらえをする必要もなく、調理の腕に自信がない方でも安心して利用できる食材の一種です。
サザエの定番メニューのサザエのつぼ焼きを御紹介
それではサザエといえば誰もが頭に想像する定番メニューの、サザエのつぼ焼きを御紹介しましょう。まず生きたサザエを用意することから始まります。新鮮な個体であればサイズは好みのものを択んで問題ありません。指にふれると驚いて、シュッと身をちじめながら蓋を硬く閉じるのが新鮮で息のいい証拠です。一つまみの塩を加えた熱湯でサザエを殻ごと塩茹でしてください。茹で上がったらお湯から取り上げて荒熱を取っておきます。茹で上がって荒熱も取れたら、蓋についている渦模様の終わり付近に串を入れて身を引き出してください。螺旋構造の殻に合わせるように、串を固定して殻を回転させながら動かすのがきれいにサザエの身を取り外すコツになります。身の先端には内臓などが渦巻き模様についているのが、確認できるはずです。サザエの身と渦巻状の先端部分は食べて問題ありませんが、黒い臓物は砂がはいっていることがあり食感も良くない場合があるので、取り除いてもかまいません。尤も黒い臓器の部分も独自の苦味や風味を好む人もいるので、取り除くか否かは個人の好みで判断してかまいません。ちなみに海中に3日間ほどひたしておくと、巻き込んだ砂をすべて吐き出すそう。取り出した身と内臓を食べやすいサイズに切り分けて、サザエの貝殻の中に戻します。この時ににんにくや刻みねぎなどの好みの薬味をあわせて投入すれば、それらの香りが引き立つかぐわしいサザエのつぼ焼きになります。身を詰めたからを直火網の上などに乗せて、醤油と酒をひたひたになるまで注ぎいれます。しばらく直火で焼いていると、調味液がぐつぐつ煮立ち始め、液体が炭の上などに落下すると独特の香ばしいかおりが立ち込めます。しょうゆがこげて香ばしいにおいが鼻を突いたら完成のサインです。厚いうちに身を取り出して火傷しないように気をつけながら口に運んでいただくのが醍醐味です。
洋風のサザエのつぼ焼きもおすすめ
時には目先を変えて、洋風のサザエのつぼ焼きもためしてみることをおすすめします。身とわたを取り出して、適当な大きさにカットするまでの下ごしらえは同じ手順です。身とワタを殻に詰め込んで醤油と日本酒を注いでから、バターとパセリ・にんにくパン粉少々をまぶしてオーブンで焼きます。海鮮バーベキューではアルミ箔で全体を覆って蒸し焼きにすれば、オーブンを使用するのと同じ条件を再現できます。
サザエの肝は独特のくせがありますが、大量のサザエの肝が残ったらペースト状にしてサザエの身をディップして楽しみこともできます。肝をすり鉢ですりつぶし、摩り下ろしニンニクにオリーブ油などをすりこ木で混ぜながらペースト状にして塩や好みのスパイスで仕上げます。他の魚介につけたりい焼き上げたバゲットなどにつけても美味しくいただけます。

豪華でおすすめの甲殻類|カニ・エビ
カニは数ある魚介類の中でも一番の人気を持つ食材で、バーベキューのメインデッシュの一翼を飾るメニューになります。甲殻類独特の直火で焼ける香りや口いっぱいにほおばるほどのボリュームに濃厚な味わいなど、人気を集める理由には事欠かないでしょう。見た目の存在感ややけ上がったときの鮮やかな赤身のインパクト、どれをとっても外すことのできない定番の一つなのは納得いただけるでしょう。
カニはそれ自体の旨みや肉汁が豊富なので、シンプルな調理でも十分満足できる仕上りになります。鍋を用意して茹でガニにする選択肢もありますが、ふかい味わいと香ばしいかおりを同時に堪能したいなら、海鮮バーベキューでは焼きカニはマストのメニューになります。食べ応えも十分に実感したいならタラバガニがおすすめです。なんと言っても太い枝肉はタラバガニならではの醍醐味。焼き方のコツはとてもシンプルで、食べやすいように半分殻をむいておいて直火で焼くだけです。焼きあがったらレモン汁をかけたり醤油などを好みに応じて振り掛けて口いっぱいにほおばるだけです。ただし足が太いだけ合って火が通りにくいのも確かなので、火のとおりが心配な方やすぐに召し上がりたい方はあらかじめボイル済みのタラバガニをおすすめします。日本酒好きの方には、甲羅酒もおすすめです。カニ味噌を集めておいた甲羅に好みの日本酒を注ぎ込んで、火にかけるだけです。濃厚なカニ味噌と日本酒の爽やかな切れ味があいまって最高のマリアージュが完成します。
甲殻類といえばカニだけでなく、エビ類も外すことはできません。日本人は世界的にみても食材のなかでもエビを好む国民性をもっており、網エビや大正エビなどのサイズの小さなものから、ブラックタイガーや伊勢海老まで大小さまざまな種類が食卓にあがります。海鮮ベーべキューではもちろん以直火で焼いていただくのが基本スタイルですが、簡単なレシピで絶品メニューを作るのも可能です。
エビの美味しい調理の基本はローストすること
エビの下ごしらえはとても簡単で、爪楊枝をつかって背ワタをとって、塩を振るだけで済みます。丸まってしまうのを防ぐために、あるいは小ぶりのサイズのエビを焼く時には、串にさして火にかけるという方法もあります。サイズ的にも味わいでも別次元の伊勢海老の半身をメニューに取り入れると、一気に豪華さが倍増します。決して手頃な価格ではありませんが、見ためのインパクトは絶大で場が盛り上がること間違い無しです。ポイントはあまり火力の強くないゾーンでじっくり焼くことです。手軽に入手できる剥きエビなどは、アヒージョもおすすめ。実が小さくて味の存在感も弱いむきエビも、オリーブ油のコクをプラスするだけでビールにもワインにも絶妙なおつまみの完成です。アヒージョ専用鍋があれば理想的ですが、アルミホイルで容器を代用することも十分可能です。アルミホイルでつくった器の中にオリーブ油をそそぎいれて、ニンニクやタカの爪に塩味で調味して、ぐつぐつにたっているオイルに浸して火を通すだけで完成です。
ガーリックの風味と旨みをストレートに味わえるガーリックシュリンプ
下ごしらえに、大正エビなどの殻を剥きせわたも取り除いておきます。同量の白ワインとオリーブ油を混ぜあわせたものに、おろしニンニクとおろしショウガを適量投入し、よくかき混ぜておいてください。調味液にむきみのエビを投入して、塩黒コショウ・パセリなどで調味し、冷蔵庫で一晩寝かせます。マリネしたエビを焼き網の上などに置いて加熱して、赤く香ばしく焼きあがったら完成です。好みにレモン汁を絞りながらすれば、一層おいしく召し上がれます。
バーべキューは肉類を食材に選ぶことが多いわけですが、海鮮食材だけで調理する海鮮バーベキューも高い人気を誇ります。なかでも甲殻類やい貝類などは焼きあがりにインパクトがあり、味わいもそれぞれに個性があるので、色々な味や風味の違いを堪能することができるのが大きなメリットと言えます。
ただし場所的に海岸近くなどの水辺で開催する機会が多くあるので、周囲の安全には十分配慮する必要があります。また海鮮食材は十分に冷気下で保管しないとすぐにいたんでしまうので、新鮮な状態を維持するためにクーラーボックスなどで現地で到着するまで鮮度を維持することがポイントです。現地での下ごしらえや召し上がるシーンを前提に必要なものをリストアップするなど、準備に漏れがないように注意を払うのが成功の秘訣です。





